Nifty50の停滞理由(2025年以来)
所得格差の拡大
インドには地域や社会階層による教育の差がある
高等教育を受けたものはIT・金融・工業・製造など成長率が高い会社に就職し裕福になる
一方で、階層が低い人々は農業などの成長率の低い産業に属するか、非正規雇用として働くので裕福にならない
現在、インドでは非正規雇用・不安定雇用が非常に大きな比率を占めている
これらの労働者は賃金が低く、福利厚生が貧しい
拡大した結果
インドは出生率が高く、若い人口が増えている
GDPが6.5%と他国に比べて圧倒的に高いのは、若い人々が多いから
しかし、所得格差が拡大しているため、人口が増えているものの、国民の大半がより貧しくなっている
内需企業中心
インドの企業は内需中心(60%)
内需企業は国民が物を買ってくれるほど売上が増える
人口が増えたので商品を買ってくれる人数が増えた一方、より貧しくなった国民は消費意欲が低いため、1人あたりの購入量が落ちている
結果、±0のトントンである
売上が増えず業績が上がらず株価も上がらない
だからNifty50は値上がりしない
日経平均のインド版であるNifty50は、インドの大手企業50社の平均株価を示す指数
2025年の年始以来、Nifty50の株価はほぼ±0
米国や欧州株が値上がりする一方で、インド株は相当遅れをとっている
「GDPが高いのに、社会階層による格差が原因で、株価が上昇しない」のがインド経済の実態
値上がり開始時期
インド政府は地域間や社会階層による教育格差を埋めるために
・Skill India Mission(職業訓練の全国展開)
・NEPによる教育制度改革
を進めている
いつかは教育格差が埋まることでNifty50が値上がりするのは間違いない
ではいつからNifty50は上昇し始めるのだろうか
GDP成長率と株価の乖離が解消されるのは、GDP成長率に雇用増加率が追いつくときだ
雇用増加率は2028~2030年頃に追いつくと見られている
これが起きると、国民の購買意欲が増えて内需企業の業績が上向き、Nifty50が本格的に上昇トレンド入りするだろう
債権王の発言
2025年9月のBloombergインタビューで債権王ジェフリー・ガンドラックは次の発言をした
「今のような投資環境では長期的なテーマ(30年後に成功するようなテーマ)に投資すべきであり、長期で最も確実な投資先はインド株だ。現在のインドは35年前の中国と同じ状態である(労働人口が豊富で若い世代が多い)。法制度や汚職の問題もあるが、改善の可能性を秘めている」
と述べている
値上がり後のピーク
生産年齢人口(= 20~65歳の人口)とその国の株価は密接に関係している
中国は一人っ子政策で人口が減少し始めた時期が株価のピークだった
日本も少子高齢化が問題になる前のバブル期がピークであり、その後30年間株価が低迷した
インドは2040~2045年に生産年齢人口のピークを迎えると予想されている
つまり、インド株のピークは2040~2045年である
BACK