6.量子コンピュータの電力消費

AITool

前提:従来のコンピュータの冷却

CPUやGPUに電力を流して計算させるため、計算回数(トランジスタの切り替え回数)が多いほど、ジュール熱で発熱します

量子コンピュータの冷却

量子コンピュータは超電導回路を使って計算します

この中には量子ビットが流れており、計算中にほとんど熱を出しません

つまり、計算回数が増えようとも発熱はほぼ変わりません

しかし、量子状態は「外界の熱」によって簡単に変化してしまうため、極低音環境(10〜20ミリケルビン)を保つ必要があります

(※原子は常に熱運動しており、周りの熱(熱電波)によって電子レンジのように簡単に状態が変わります)

そのためには冷凍機や制御装置を使う必要があり、これに数百kW〜MW級の電力が消費されます

結論:量子コンピュータのほうが電力を食う

量子コンピュータは「計算による電力消費」がほぼないですが、「計算を可能にするための環境維持に食う電力」が非常に多いため、結果として従来のコンピュータよりも電力を消費します

逆にいれば、冷却技術の進歩や「環境維持が楽な量子コンピュータ」ができれば省エネになる可能性もあります

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